お子さんの宿題を見てあげるとき、また、持って帰ってきたテストをチェックしたとき、どうお感じでしょうか。
- 何でここが理解できていないのかなぁ…
- この前教えたばかりなのに…
- また、この問題間違っている…
勉強をどう教えたらよいかネットで調べてみると
- 楽しく勉強できるような環境を作ってあげましょう…
- できたらほめてあげましょう…
- 教科書に沿って教えましょう…
- 日常生活に当てはめて理解させましょう…
これで解決できましたか?
今回はこんな悩みをお持ちのご両親へ向けて書いてみたいと思います。
もくじ
何が分かっていないのか?
親は、子供が何が理解できていて、何が理解できていないのかを掴むのがまず最初の難所です。
大きく分けて、知識が足りないのか、知っているけど使いこなせていないのかのどちらかに分かれます。
もっと簡単に言えば、授業で聞いた覚えがなくて間違えたのか、授業で先生が説明していたのは覚えているけど、いざ問題となると解けなかったのかのどちらに当てはまるかをよく、聞いてあげてください。
これは、算数でも、社会でも同じ理屈です。
授業で聞いた覚えはある、でも解けなかった。多くはこのパターンです。つまり知識を使いこなせていないのです(ちょっと大げさですが)
以下で、詳細に対策を考えてみます。
聞いた覚えがないと子供が答えた場合
間違った問題、分からない問題に関して、子供が全く授業で聞いたことがない、または、全く覚えていないないと答えた場合は、そもそも知らないのですから解けるわけがありません。
知識として頭に存在していないのです。
この場合は、教科書に戻って、丁寧に教える以外に方法はありません。
言葉の意味、使い方から丁寧に教えてあげてください。
授業で聞いた覚えはあるが、解けない場合
繰り返しになりますが、ほとんどはこれです。
先生が授業で説明をしていたことは覚えているし、言葉も分かる。でも解けない。この場合は、知識の使い方を教えてあげるのです。
例えば、算数で直角三角形の問題が解けないとします。
こんな問題ですね。
問)下の四角形に線を引いて直角三角形を作りなさい。
↓↓↓
こんな感じの答えになりますね。(線の引き方は他にもありますが、例えという事で)
これが解けない場合、そもそも直角三角形が何かを理解できていないのです。もっと言えば、「直角」って何かが理解できていないかもしれません。
知っているけど使いこなせていない典型例ですね。
それで、解決策としては、自由に直角三角形を書かせてみてください。
子供は、自分で一から直角三角形を書いてみて、書けないことに気が付き、正解を知った時に、何がどう違うのかを真剣に知ろうとします。
「あれ、直角三角形ってどう描くんだっけ? 直角ってどんな角だっけ?」
学校や塾では、直角三角形の定義を教えて、形を教えますが、一から書かせることはあまりしないのです。ですので、分からない生徒はスタートでつまずいてしまうのですね。
徹底的に書かせてください。向きが違う直角三角形、極端に辺の長さが違う直角三角形を書いたり、また、身の回りにある直角を探させてみるのもいいでしょう。
知識を使いこなすとは、問題が解ける事ではありません。一から自分で書けることだと考えてください。
親が勉強を教えるときに陥る大きなミス
問題が解けないときに、親としてよくやりがちなのが、別の問題集を買ってやらせたり、塾に通わせたりします。
問題集は問題と解き方の答えが載っていて、親もそれに沿って教えます。先の例で言えば、直角三角形を自分で書かせる形になっていないので、効果が薄いのです。
問題をこなすことで解決できるのか、もっと手前でつまずいているのかを見極める必要がありますね。
塾に通うのも同じで、そもそも、今持っている知識を使いこなせていないのに、新しい知識を与えたり、解き方を教えたり…解決するはずありませんよね。
お子さんの成績が伸びないと感じたら?
特に低学年のうちは、参考書や塾など必要ありません。(元塾講師が言うセリフではありませんが…)
学校で教わったことを使いこなせていないのに、塾や新しい参考書で知識を入れても使いこなせるわけないのです。
ぜひ、お子さんがつまずいている箇所を見つけて、一から説明する練習をさせてください。
算数の図形ならば、図形を自分で書かせる。国語で物語が理解できていないならば、どういう話なのか説明させるなどの対策をまずやってみてください。
イライラする前に親も勉強が必要
これは耳が痛い話なのですが、親も教えるには少し努力をしなければなりません。子供が理解できていないことについイライラしてしまいがちですが。
授業は学校でしてくれます。
親の役割は、それを補足する形で、教わった事を使いこなせるようになる手助けをしてあげる事です。
先に、自分で説明させてみましょうと言いました。
もちろん、簡単に説明などできませんので、親が、ポイントポイントで理解が進むように誘導してあげるのです。
例えば、歴史で鎌倉幕府の場面です。
親:鎌倉幕府について説明して。
子供:鎌倉幕府は源頼朝が開いた。
親:源頼朝はどうして鎌倉幕府を作ったの?
子供:…。
親:鎌倉幕府はいつできたの?
子供:1192年
親:1192年に源頼朝が鎌倉幕府を開きますって宣言したの?
子供:…
という具合に子供の頭を整理して、知識がつながるように誘導してあげるのです。
親が一つ一つを覚える必要はなく、教科書を見て、子供に聞いていけば良いのですが、これは慣れと根気が必要です。
知識をつなげ方、勉強の方法などを、将来のためにも正しくお子さんに教えてあげたい方はこちらを読んでみてください。
この教材の良いところは、完全にマスターできなくとも、何らかの効果を得られるところですね。(名前が怪しいのは欠点といえるかもしれませんが)
勉強法を語った教材は、100か0かみたいなものが多いのですが、この教材に関しては完全にマスターできなくとも部分的にでも使える点が取り掛かりやすかったですね。
親の教え方ひとつで、お子さんの成績は大きく変わります。これは断言します。
特に低学年のうちに、シンプルに知識を整理していくコツを身に着ける事が出来たお子さんはその後、勉強したことの定着具合が飛躍的に上がりますね。
親も勉強しなければならない時代になったのかもしれません。
偉そうに言っている私も、子を持つ親という立場です。
皆さん一緒に頑張りましょう。