中学校受験を目指して、塾や自宅で勉強に励んでいる小学生も多い事でしょう。
その中で、特に時間を割く科目が算数ではないでしょうか。
今回は、算数でまずまず点数を取れているけれども、あと一歩…というお子様をお持ちのご両親に向けてお伝えしようと思います。
ちなみに、算数に過度に時間を割きすぎるのも考え物です。
もくじ
まず、得点の分析から
模擬試験などが返ってきたら、全体を見てどこが得点できて、どこがダメだったかを見てあげてください。
今回は、80点と90点以上の差というテーマですので、試験自体に手も足も出ないという状態ではないのです。(150点であれば、120点、135点です)
算数のテストの構成はおよそ次のような感じです。
- 簡単な計算問題
- やや複雑な計算問題
- 図形問題
- 複雑な図形問題
- 文章問題
- 複雑な文章問題
まず、80点以上取れるお子さんは、1,2,3(計算、図形)まではほぼ得点できています。
複雑な図形で得点できず、文章問題で得点し、複雑な文章問題で解けないというパターンが多いのではないでしょうか。
個人的にはこれでも立派だとは思いますが、難関校を目指す場合はあと一歩、複雑な図形問題か、複雑な文章問題は正解に持っていきたいというところです。(これができるのが90点以上取れるお子さんです)
複雑な問題の対処法
ここからが、今回のテーマの一番お伝えしたいことです。
対処法はどうするのかという事です。
結論から言うと、問題1文毎に、確認、まとめる訓練をする事です。
例題
りんご、みかん、かきを1つずつ買うと、合計325円です。
かきは、みかんより15円高く、りんごより55円安いです。
りんご、みかんをそれぞれ2こづつと、かきを1つ買うと合計で555円です。
かき1つの値段はいくらでしょうか。
1文ずつ見て、確認、まとめ作業をしていきます。
1文目 りんご、みかん、かきを1つずつ買うと、合計325円です。
→㋷+㋯+㋕=325
2文目 かきは、みかんより15円高く、りんごより55円安いです。
→㋕=㋯+15 ㋕=㋷-55
3文目 りんご、みかんをそれぞれ2こづつと、かきを1つ買うと合計で555円です。
→㋷+㋷+㋯+㋯+㋕=555
まず、ここまで手を付けられるかが勝負です。
繰り返しますが、一文ずつ確認、作業をできるかが大事です。(ここまでが大事で、本題ですので、ここから先はサラっといきます)
ここから先は、テクニックを使います。
目標は㋷=〇円、㋯=△円、㋕=□円のどれか一つ分かれば、すべての答えが出せますね。
つまり、㋷、㋯、㋕と3種類あるものを、ここまでの情報を使って、どれか一つにする作業をするのです。
1文目と3文目の情報に注目です。その違いは、㋷と㋯が2つずつあることで、㋕は両文とも一つです。
そこで、
1文目+1文目-2文目という技を使います。何のためかと言うと、これで㋕1つの値段が出せるからです。
1文目+1文目=(㋷+㋯+㋕)+(㋷+㋯+㋕)=㋷㋷+㋯㋯+㋕㋕
―2文目㋷㋷+㋯㋯+㋕
=325+325-555=95=㋕
小学校低学年の算数のコツ
中学受験用の算数の文章問題で、複雑なものは、多くはこのパターンです。
複雑に見えるだけです。
前提となる、問題文が長く、複雑に「見える」のです。
今回、例で出したものも、1文ずつ、図にする確認作業をするか、しないかが勝負の分かれ道なのです。
その先の解き方のテクニックは2回くらいやれば誰でも覚えれます。
お子さんへのトレーニング法
では、実際のトレーニングです。
多くの塾では、講師が解き方の解説はします。
しかし、1文1文図に書く作業は監督できないでしょう。
ですので、ご家庭でやるしかないのです。
市販の問題集や、塾に通わせている場合は、塾の問題でも結構です。
ノートでも、白紙の裏紙でも何でもよいので、一から解かせて、チェックしてあげてください。
子供は問題が複雑で長くなると、頭だけで、考えようとして、訳が分からなくなり、解く意欲がなくなってしまいます。
この時、式と答えを見るのではなく、1文ずつ、読み込んで、図にできているかを確認してあげてください。
ここまでできれば、最後のテクニックを教えてあげてください。
テクニックだけを覚えた子は、問題の形が少し変わると、お手上げで、試験中解く意欲をなくしてしまいます。
一方、一文ずつ確認することを覚えたお子さんは、分からなくとも、その作業を始めます、すると多くの場合は答えにたどり着くのです。
本ブログでは、ご家庭での教え方ひとつで、お子さんの成績が変わる事を言い続けてきました。
親も教え方を学ぶことが大切だという事ですね。