中学受験を考えられている家庭では、小学校低学年のうちから塾に通っているお子さんが多いでしょう。
どうしても点数を追いかけざるを得ない状況になるわけです。
受験科目は、国語、算数、理科、社会である場合が多いでしょう。
この中でも、どの親御さんでも、目の色を変えて力を入れるのが、算数です。
もくじ
この作戦、大丈夫でしょうか?
試験は合計点の勝負になりますから、各科目バランスよく得点できるのが理想です。
しかし、塾に通わせている科目、勉強に充てる時間の多くは「算数」というご家庭が非常に多いのが事実です。
これに応えるべく塾も算数に工夫をして、それをウリにしているところも多いという現実もあります。
ただし、よく考えていただきたいのは、勝負は合計点であり、算数の点数で合否が決まるわけではないのです。
国語、算数、理科、社会の配分を作戦として考え直す必要があるかも知れません。
なぜ、算数に力を入れすぎるのか?
統計を取ったわけではありませんので、断言はできませんが、私は理由が2つあると考えています。
算数という科目は「分かりやすい」科目なのです。
特に小学校低学年のうちは、足し算、引き算、掛け算、割り算をベースにして、答えがはっきり出るため、取り組みやすいと言えるでしょう。
もう一つの理由は、親の理想です。
算数に強くなってほしい、もっと言えば、理系の頭になってほしいという願望から、小さいうちから、算数に特に力を入れてしまうのです。
繰り返しになりますが、算数で満点を取っても他の科目がボロボロでは、意味がありません。掛ける勉強時間も、各科目でバランスを十分に考えてください。
なぜ社会に時間を掛けないのか?
算数に時間を割いたために、時間を削られやすい科目が「社会」です。
では、なぜ社会に時間を掛けない家庭が多いのでしょうか?
- 社会は暗記科目だから
- 教えるというより覚える印象が強い科目だから
- 追い込みをかける事ができる科目だと考えているから
- 点数の配分が低いから
- 歴史以外は、つかみどころがない科目だから
これらも、統計を取ったわけではありませんが、実際に私が中学受験を考えられているご両親から聞いた内容で、多かったものです。
間違った「社会」という科目の印象
上に挙げた社会という科目への印象はすべて間違いと言えるでしょう。
一定の暗記が必要であることは間違いありませんが、全部暗記しようとしていたらたまったものではありません。
これは、中学受験に限らず、大学受験、資格試験に共通の傾向ですが、ある資料を問題の中で提示し、そこから読み取れることを答えるパターンは確実に増えています。暗記では勝負できない問題の割合は確実に増えているのです。
単に覚えるだけでなく、例えば、歴史にしてもある事件と、背景がどうつながっているのかを正確に「理解」しなければ解けない問題も多いのです。
言い方を変えれば、理解すれば、覚える必要などなく、知らない事も試験会場で考えながら、答えを出せるのです。
どう教えるかが難しいんだ、との声も聞こえてきそうですが、本屋さんに行けば、工夫に工夫を重ねた書籍がたくさんあります。それを一緒に読むだけでも社会の成績は大きく上がります。
根本的に教え方を知りたい方はこちらを参考にしてください。
自分で工夫をした有名人のエピソードも参考になるかも知れませんね。
今社会が得意になれば、大学受験まで大丈夫
これも統計を取ったわけではなく、私個人調べです。
「社会」の特徴として小学生時代に得意になれば、大学受験から、社会人になっても得意科目として通用します。
私の学生時代の友人を例として、紹介します。
小学生の時代のA君は学校の成績は、全体を見れば真ん中くらい。しかし、社会に関しては学年でも1,2を争う力の持ち主でした。
この傾向は中学、高校と続きました。
結局、推薦で、東京の私立大学に進学しました。
実際、私が講師時代に見てきた生徒さんもほとんど同じ傾向にあります。
社会は小学生時代に得意になってしまえば、高校、大学、いや、一生得意科目にすることができる科目と言えるでしょう。
「社会」の安定感がきっと救いになる
国語、算数は試験によって難易度が大きく変わります。ちょっと難しくなれば、点数は大きく下がってしまうのです。
上位数%に入る力を持った学生は、難易度が上がっても安定して高得点を取れますが、多くの学生は試験の難易度に大きく左右されます。
そこで、存在感を増すのが「社会」です。
社会が得意な学生で、テストの難易度が高かったからといって点数が極端に落ちた生徒を見たことがありません。
せいぜい、いつも満点近いが、今回は難しかったから、90点だったという程度です。
社会という科目は、安定した得点源になるのに、なぜか後回しにする生徒が多いのも事実です。
子供の受験を考えているご両親、社会の重要性を今一度考えてみてください。