作文や小論文の書き方を尋ねられることがあります。そこで今回は実例を挙げながら私なりに考える対策を書いてみたいと思います。
題材として、今、世間を騒がせている闇営業問題を取り上げてみましょう。
もくじ
作文や小論文を書くときのコツ
小論文や作文は多くの場合題材が示されています。その題材をどのように分解していくかが最大のポイントとなります。手順としては以下のような感じです。
①事実を正確に捉える
②問題点を整理する
③問題点の検証
④自分なりの結論を導きだす
一つずつ見ていきましょう。
①事実を正確に捉える
お笑い芸人が反社会的勢力の会合に参加していました。この事をマネージメント会社の吉本興業は把握しておらず、報道で明るみになりました。発覚した当初、会合に参加はしたが、ギャラはもらっていないと説明していましたがしかし実際は受け取っていたことから、さらに騒ぎが大きくなりました。
②問題点を整理する
ここが最大の山場です。
この闇営業騒ぎには、いくつかの問題点があります。
・集まりが反社会的勢力と認識していたのか?
・吉本興業を通さない活動は問題があるのか?
・ギャラをもらっていたとの認識はあったのか?
・「闇営業」という言葉に私たちは踊らされているのではないか?
報道で知りうる限り問題点はこんなところでしょうか。
③問題点の検証
集まりが反社会勢力と認識していたのか
仮に認識していたとすれば、言い訳の余地はありません。反社会的勢力が反社会的な方法で得たお金で開催された可能性がある会合であり、反社会的な打ち合わせなどが行われた可能性もあるわけです。そこに、参加するなど論外。たとえ余興だけでも許されません。
認識していなかったっとすれば、会合への参加自体は重大な不注意であったとの責にとどまるでしょう。
吉本興業を通さない活動は問題があるのか
これは吉本興業とタレントとの契約を見てみなければ分かりません。一部の報道では契約書が存在しないとも言われています。書面がないのも大問題ですが、そもそも、契約自体がどう交わされているのか。これはタレント側というよりも、吉本興業の極めて重大な落ち度です。契約が存在していないのであれば、吉本興業を通していない活動に対して、責められることは無いでしょう。
ギャラをもらったという認識はあったのか
当初、金銭はもらっていないという話でしたが、後で嘘であったことが発覚しました。仮に、金銭の名目が、お車代など、労働の対価でなかったとしても、事実上ギャラだったのか、また客観的に見てどう映るかが重要です。これも言い訳の余地はないでしょう。
「闇営業」という言葉に私たちは踊らされているのではないか
先に書いたように、吉本興業とのマネジメントに関する契約書がなかった場合、仮に契約自体が存在したとしても、その存在を証明するのは非常に困難です。吉本興業が会社を通さない活動をしたタレントに対して責任を追求するのは根拠が薄いのです。(事実、吉本興業を通して仕事が入ってきていますので根拠が無いとまでは言いません)
それにもかかわらず、世間では「闇」という言葉を使ってあたかも、違法な活動であるかのように報道されています。反社会勢力に関わったという意味で「闇」と使われているのであれば、正しい使い方ですが、営業自体が、吉本興業を通していないという部分で「闇」と表現されているのならば、印象操作の臭がします。私たちはテレビや雑誌の表現だけを見て踊らされるべきではありませんね。
④自分なりの結論を導きだす
いかなる理由があっても、反社会的勢力からお金を受け取ることは許されません。なぜならば、違法に得たお金である可能性も高いからです。
タレントをはじめ有名人には反社会的勢力が近づいてくることは、今に始まったことではありません。それも踏まえてマネジメント会社は契約を結び、しっかりと当事者同士、認識させておく義務があるのです。これを怠った責任は最も大きいと考えます。間違っても、世間の目線で、タレントを責めるのではなく、自分も当事者として、責めを受け、会社としてタレントを全力で守って欲しいと思います。そして、復帰へのプログラムをしっかりと持って欲しいと思います。
一方、私たちは、何か世間を騒がす問題があった際に、言葉の表現だけで、事実を見誤るようなことがあってはならなりません。事実がどこにあるのかを、きちんと見つける力を持っておかなくてはなりません。
作文や小論文は何が正解なのか
正解はないと思います。
事実、問題点、自分の考え(改善策や次のステップがあれば更に良いと思います)が順を追って述べられていれば、まずはOKです。そして、自分の体験などを通じて、話を広げていければ、合格点ではないでしょうか。試験対策はまた別ですが、普通の作文は、多少、ストーリーに飛躍があっても何の問題もないですし、読み手の興味を引きますしね。
いかがでしょうか。小論文や作文を身近に感じて頂ければ嬉しですね。